ご挨拶
日本血管腫血管奇形学会 理事長 杠 俊介
信州大学 医学部 形成再建外科学教室
“血管腫”と呼ばれている病変には、多様で異なる病変が含まれています。我が国における“血管腫”の呼び名は、「海の生き物」みたいなもので、そこには魚だけでなく、哺乳類もプランクトンも貝やイカ等など全く違うものが沢山含まれているのです。いわゆる血管の腫瘍である血管腫と様々な病態を呈する血管(脈管)奇形が総称で“血管腫”と呼ばれてきた現状があります。日本血管腫血管奇形学会は、その“血管腫”と呼ばれてきた血管腫血管(脈管)奇形を扱う学会です。
血管腫血管(脈管)奇形は多くの疾患が含まれている疾患群であり、拍動して血液が流れる動脈、細い毛細血管、ゆっくりと血液が流れる静脈からリンパ液が流れるリンパ管まで、すべての脈管に病変は生じ得ます。胎児から高齢者まで、また全身あらゆるところ、内臓や頭の中までにも、その病変は発症します。その症状は「痛み」や「見た目の問題」、「出血」など多彩です。小さな赤あざから、命にかかわるような重症な病態まであり、しばしば難治です。症状を緩和するため、薬の内服や装具による保存療法、硬化療法、塞栓療法、レーザー照射療法から手術療法まであらゆる治療方法が駆使されております。
本学会は2002年に始まった数名の形成外科医による血管奇形の主に硬化療法などに関する勉強会が前身です。2005年に血管腫・血管奇形研究会が設立されて毎年定例会を行ってきました。血管腫・血管奇形IVR研究会を2002年に設立した主に画像診断と血管内治療を行う放射線科医や、小児科医、小児外科医、皮膚科医、病理医、漢方医など多士済々の専門家が集まり、2015年に日本血管腫血管腫血管奇形学会が設立され今に至っております。現在では、学会の場に患者さんや行政担当者も加わっていただきながら、当事者の問題点をしっかりと汲み上げ、皆で考える学会となっております。前身の勉強会発足時から常に強いリーダーシップをとって本学会引っ張ってこられた佐々木了前理事長の後を受け、2019年より杠(ゆずりは)が理事長を拝命いたしました。
血管腫血管(脈管)奇形疾患群の特徴は、沢山の稀少疾患と難病が含まれる疾患群であること、各疾患の疫学的実態が把握しきれていないこと、疾患ごとの遺伝子異常が一部で見つかってきていること、年ごとに発見が相次いでいること、疾患概念や名称が頻繁に変わることなどがあり、そこにある事実と問題点は常にとどまることなく血流のごとく刻一刻変化しながら流れ続けております。私たちの学会では、患者さん、医療者/研究者(アカデミア)、行政、参画企業が集まって最新の情報交換と議論を行う場を作り、あらゆる方面からその対策を考えていきます。この学会におけるチームワークでこの難題に立ち向かい続けます。この疾患群に興味をお持ちの研究者の皆様、この学会の趣旨に賛同される方々、さらには困っている患者さんやそのご家族の皆様など多くの方々のお知恵とご協力をいただけるよう切にお願い申し上げます。
役員
理事長 |
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杠 俊介 |
信州大学医学部形成再建外科学教室 |
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理事 |
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秋田 定伯 |
たまき青空病院 形成外科 |
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大須賀慶悟 |
大阪医科薬科大学 放射線診断学教室 |
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尾崎 峰 |
杏林大学医学部 形成外科 |
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小関 道夫 |
岐阜大学 小児科 |
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木下 義晶 |
新潟大学大学院 小児外科 |
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河野 太郎 |
東海大学医学部外科学系形成外科学 |
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神人 正寿 |
和歌山県立医科大学 皮膚科 |
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野村 正 |
神戸大学 形成外科 |
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林 礼人 |
横浜市立大学医学部 形成外科学 |
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藤野 明浩 |
慶應義塾大学医学部 外科学(小児) |
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三村 秀文 |
聖マリアンナ医科大学 放射線医学講座 |
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八巻 隆 |
東京女子医科大学附属足立医療センター 形成外科 |
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監事 |
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大内 邦枝 |
千葉県がんセンター 医療の質・安全管理部 |
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佐々木 了 |
国家公務員共済組合連合会斗南病院 形成外科 |
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評議員 |
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石川 耕資 |
北海道大学 大学院医学研究院 形成外科学教室 |
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石丸 英樹 |
長崎大学病院 放射線科 |
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井上 政則 |
藤田医科大学 放射線医学教室 |
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岩科 裕己 |
杏林大学医学部付属病院 形成外科 |
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上原秀一郎 |
日本大学医学部外科学系小児外科学分野 |
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王丸 陽光 |
形成外科王丸クリニック/久留米大学形成外科・顎顔面外科 |
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大城 貴史 |
医療法人社団慶光会 大城クリニック |
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小川 恵子 |
広島大学病院 総合診療内科 漢方診療センター |
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小野澤志郎 |
杏林大学医学部付属病院 放射線科 |
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加藤 愛子 |
大分県立病院 形成外科 |
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加藤 基 |
岡山大学病院 形成再建外科 |
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加藤 源俊 |
慶應義塾大学 小児外科 |
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川上 民裕 |
東北医科薬科大学 医学部 皮膚科学教室 |
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川上 善久 |
福岡市立こども病院 形成外科 |
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川久保 尚徳 |
九州大学大学院医学研究院小児外科学分野 |
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河原 章浩 |
広島大学 漢方診療センター |
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清末 一路 |
大分大学医学部附属病院 放射線部 |
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栗田 昌和 |
Altos Labs San Diego Institute |
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康 勝好 |
埼玉県立小児医療センター 血液腫瘍科 |
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櫻井 裕之 |
東京女子医科大学 形成外科 |
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櫻庭 実 |
岩手医科大学 形成外科 |
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島田 賢一 |
金沢医科大学 形成外科 |
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高木 信介 |
昭和大学 形成外科 |
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武田玲伊子 |
神戸大学 形成外科 |
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田中 法瑞 |
久留米大学医学部 放射線医学教室 |
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田上 秀一 |
久留米大学医学部 放射線医学教室 |
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長尾 宗朝 |
東北大学医学部形成外科 |
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長濱 通子 |
神戸ほくと病院 皮膚科・美容皮膚科 |
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成島 三長 |
三重大学 形成外科 |
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新見 康成 |
聖路加国際病院 神経血管内治療科 |
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塗 隆志 |
大阪医科薬科大学 形成外科 |
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野口 美帆 |
信州大学医学部形成再建外科学教室 |
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野崎 太希 |
慶應義塾大学医学部 放射線科学教室(診断) |
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菱木 知郎 |
千葉大学大学院医学研究院小児外科学 |
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藤澤 興 |
東京大学医学部 形成外科 |
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文野 誠久 |
京都府立医科大学 小児外科 |
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古川 洋志 |
愛知医科大学 医学部 形成外科 |
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宮坂 宗男 |
あつぎ美容クリニック |
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森 秀樹 |
愛媛大学 形成外科 |
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森井 英一 |
大阪大学大学院 医学系研究科病態病理学 |
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森本 哲 |
昭和伊南総合病院 小児科 |
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力久 直昭 |
おゆみの中央病院 形成外科 |
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名誉会員
今井 茂樹 横尾 和久 中岡 啓喜 |
委員会
- 学術委員会
- 上原秀一郎、尾崎峰、大須賀慶悟、小関道夫、神人正寿、藤野明浩
- 広報委員会
- 高木信介、加地展之、尾崎峰
- SNS運用ワーキング
- 石川耕資(ワーキング長)、⼩関道夫、加藤源俊、武⽥玲伊⼦、
髙橋正貴(東邦大学医療センター大森病院 小児外科)、島田秀一(熊本大学 皮膚科)、
和田慎司(聖マリアンナ医科大学 放射線診断・IVR学講座)
- 硬化療法技術認定ワーキング
- 野村正(ワーキング長)、大須賀慶悟
- 用語病名検討ワーキング
- 神人正寿(ワーキング長)、小関道夫、木下義晶、野崎太希、林礼人、力久直昭、
堀由美子(国立病院機構大阪医療センター 臨床検査科)
事務局
本部事務局
杏林大学医学部形成外科
〒181-8611 東京都三鷹市新川6-20-2
TEL:0422-47-5511 FAX:0422-46-6138
事務局長 尾崎 峰
会員係
株式会社 春恒社
学会事業部 業務管理グループ
〒169-0072 東京都新宿区大久保2-4-12
新宿ラムダックスビル9F
TEL:03-5291-6231 FAX:03-5291-2176
E-MAIL jssva-office@shunkosha.com